県内最賃820円決定/異議なし、来月8日発効
沖縄労働局(福味恵局長)は8月31日までに、県内の最低賃金時間額を現行の時給792から28円引き上げて時給820円とすることを決定した。官報での公示を経て、10月8日にも発効する。県内で28円の引き上げ額は、2019年度と並んで最大となる。
時給820円への引き上げは、12日に沖縄地方最低賃金審議会が福味局長に答申した。27日までに異議の申し出がなく、答申の内容通りに決定した。異議申し出がなかったのは過去10年間で3回目。
厚生労働省によると2021年度の全国の最賃改定は、47都道府県の加重平均で前年度比28円増の時給930円となる。沖縄の820円は、高知県と並んで全国最下位となる。最高は東京都の1041円。
新型コロナウイルス感染症の影響で経営の厳しさが続く中で、最賃の大幅引き上げに使用者側の難色が強く、審議会の議論は難航した。答申には、異例の付帯決議と労使双方の意見書が添付された。
沖縄労働局は付帯決議と意見書の内容を踏まえ、県や沖縄総合事務局、市町村、経済団体、中小企業の資金繰り相談に応じる金融機関、警備や清掃などの発注者となることの多い学校など407先に、最賃引き上げに向けた「協力要請」を送っている。 要請は、生産性向上の支援策拡充強化に努めることや、コロナ禍で影響を受けている業界の中小・小規模事業者支援などを求めた。受注企業が労働者に最賃額以上の賃金を支払えるよう、年度途中での適切な価格への単価見直しなど発注契約についても特段の配慮を求めている。
2021/09/01 琉球新報朝刊 5ページ 639文字
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